国会王子 武田一顕のよろしくどうぞ2025年06月15日 13:59
山尾志桜里・元衆議院議員の国民民主党公認見送りについて。
出馬するかしないかというのは無論本人の決断なので、責任は本人に帰せられるものだが、約束が反故にされたということで山尾にも一定の同情が集まっている。約束とは、山尾が国民民主の玉木代表や榛葉幹事長と交わしたであろう、政党公認のことだ。では、政党の公認が約束されていたのに反故にされるというのはどういうことなのか…私の知る過去の出来事を記しておきたい。
かつてラジオのニッポン放送に塚越孝という名物キャスターがいた。「つかちゃん」の愛称で親しまれ、私がラジオの政治記者となった1999年ごろは、ニッポン放送の看板キャスターの一人。国会にあるラジオの記者クラブでも頻繁にお会いしていた。塚越は、かつて当時の民主党から国政選挙への出馬を打診され、本人も乗り気で、出馬寸前まで話が進んだが、党側の都合で公認予定を取り消された。
塚越が当時は野党だった民主党から選挙に出ようとしたことは、会社も知るところとなったが、とりあえずその時は何も起きなかった。しかし、コトはそのままでは済まない。
その後の2005年、ライブドアによるニッポン放送株買収騒動が起こり、翌年、そのあおりで、ニッポン放送社員の47人がフジテレビへの移籍を余儀なくされる。塚越も自身がキャスターを務めていたラジオ番組を降板させられ、フジテレビに移籍した。本人は、移籍後もアナウンサーの仕事を続けられるという約束があったと言っていたが、実際には、2011年にフジテレビアナウンス室から別の部署に異動させられ、翌年、お台場の局内トイレで自殺しているのが発見された。
本人は、ラジオ番組のお取り潰しは、国政選挙に出馬しようとしたことに対する会社側の仕返しだと言っていた。
なぜこんなことを書いたかというと、日本では選挙に出馬するということが自らの社会的生命を奪う行動になりかねないということだ。
逆に言えば、政党が誰かに出馬を要請する際には、その人の未来を左右しかねないことを覚悟しなければならない。もちろん当落は個人の責任であるが…
山尾は強い女性に見えるが、一人の人間であることは変わりない。自らの過去の行動が批判を受けることは重々承知しただろう。それでも玉木の出馬要請に応じたのは、党首の言葉なのだからそれを反故にされることはないに違いないと踏んだからだ。罵詈雑言を浴びても選挙を共に戦おうと考えていたのに、その仲間からいきなり切り捨てられた。
私は自らが知る人間が過去にはしごを外されたことを思い出し、今回も政治の世界の怖さを思い知った。
出馬するかしないかというのは無論本人の決断なので、責任は本人に帰せられるものだが、約束が反故にされたということで山尾にも一定の同情が集まっている。約束とは、山尾が国民民主の玉木代表や榛葉幹事長と交わしたであろう、政党公認のことだ。では、政党の公認が約束されていたのに反故にされるというのはどういうことなのか…私の知る過去の出来事を記しておきたい。
かつてラジオのニッポン放送に塚越孝という名物キャスターがいた。「つかちゃん」の愛称で親しまれ、私がラジオの政治記者となった1999年ごろは、ニッポン放送の看板キャスターの一人。国会にあるラジオの記者クラブでも頻繁にお会いしていた。塚越は、かつて当時の民主党から国政選挙への出馬を打診され、本人も乗り気で、出馬寸前まで話が進んだが、党側の都合で公認予定を取り消された。
塚越が当時は野党だった民主党から選挙に出ようとしたことは、会社も知るところとなったが、とりあえずその時は何も起きなかった。しかし、コトはそのままでは済まない。
その後の2005年、ライブドアによるニッポン放送株買収騒動が起こり、翌年、そのあおりで、ニッポン放送社員の47人がフジテレビへの移籍を余儀なくされる。塚越も自身がキャスターを務めていたラジオ番組を降板させられ、フジテレビに移籍した。本人は、移籍後もアナウンサーの仕事を続けられるという約束があったと言っていたが、実際には、2011年にフジテレビアナウンス室から別の部署に異動させられ、翌年、お台場の局内トイレで自殺しているのが発見された。
本人は、ラジオ番組のお取り潰しは、国政選挙に出馬しようとしたことに対する会社側の仕返しだと言っていた。
なぜこんなことを書いたかというと、日本では選挙に出馬するということが自らの社会的生命を奪う行動になりかねないということだ。
逆に言えば、政党が誰かに出馬を要請する際には、その人の未来を左右しかねないことを覚悟しなければならない。もちろん当落は個人の責任であるが…
山尾は強い女性に見えるが、一人の人間であることは変わりない。自らの過去の行動が批判を受けることは重々承知しただろう。それでも玉木の出馬要請に応じたのは、党首の言葉なのだからそれを反故にされることはないに違いないと踏んだからだ。罵詈雑言を浴びても選挙を共に戦おうと考えていたのに、その仲間からいきなり切り捨てられた。
私は自らが知る人間が過去にはしごを外されたことを思い出し、今回も政治の世界の怖さを思い知った。