日本パデル協会2025年10月30日 23:49
各国のパデル事情:アルゼンチン・スペイン・日本の普及度比較レポート
こんにちは!日本パデル協会のFiNANCiE担当の川口です。
今回は「各国のパデル事情:アルゼンチン・スペイン・日本の普及度比較レポート」について語っていきたいと思います。
■クラブ数・コート数・ライセンス登録者から見るパデルの現在地
パデルは今、世界で最も急速に成長しているスポーツの一つですが、その普及の度合いは国によって大きく異なります。
長年パデル文化を牽引してきた「旧大国」から、コート建設ブームに沸く「新興国」、そしてこれから本格的な成長を目指す「アジアのフロンティア」まで、その状況は様々です。
今回は、パデル界を語る上で欠かせない主要国、アルゼンチン、スペイン、そしてアジアの代表として日本の3カ国に焦点を当て、クラブ数、コート数、ライセンス登録者という具体的なデータから、各国パデル事情の「現在地」を比較分析します。
【比較レポート】パデル3大国の普及度データ(2024年初頭推定)
項目 / アルゼンチン / スペイン / 日本
パデルコート数 / 7,000面以上 / 17,000面以上 / 50面以上
クラブ・施設数 / 3,000か所以上 / 4,000か所以上 / 25か所以上
ライセンス登録者数 / 約50万人 / 70万人以上(公式ライセンス)/ 約1,500人(競技者登録)
競技人口(推定)/ 300万人以上 / 600万人以上 / 10,000人以上
普及のフェーズ / 成熟期・文化 / 超成熟期・ライフスタイル / 成長初期・フロンティア
※数値は各国連盟発表および業界推計に基づく概算であり、変動する場合があります。
■スペイン:パデル・ライフスタイルの中心地
スペインは、パデルを世界に広めた「超大国」であり、名実ともに世界のパデルの中心地です。
データが示す通り、コート数、登録者数、推定競技人口の全てで世界トップを誇ります。
データが示す現状…
コート数(17,000面以上):
スペインでは、都市部の専用クラブだけでなく、リゾートホテル、マンションの敷地内、フィットネスジムなど、あらゆる場所にパデルコートが存在します。
テニスよりパデルの競技人口が多いと言われる由縁です。
ライセンス登録者数(70万人以上):
これは公式な競技ライセンスを持つ人々の数であり、週末に趣味としてプレーする非登録者を合わせると、その人口は600万人を超えると言われています。
パデルは既にスポーツという範疇を超え、社交と健康のための国民的なライフスタイルとして定着しています。
普及の要因:
温暖な気候が屋外でのプレーを可能にしている点や、メディアの露出度の高さ、そして何よりも世界最高峰のプロプレーヤーが多数存在する環境が、このスポーツを支えています。
■アルゼンチン:パデルを生んだ「情熱の故郷」
アルゼンチンは、パデルの発祥の地であり、情熱的なパデル文化が根付いている国です。かつてはスペインを凌ぐコート数があった時代もあり、現在も強豪プレーヤーを輩出し続けています。
データが示す現状…
コート数(7,000面以上):
スペインに次ぐ規模ですが、アルゼンチンの特徴は、その多くがローカルコミュニティに密着したクラブにある点です。地域住民の交流の場として、パデルコートが非常に重要な役割を果たしています。
ライセンス登録者数(約50万人):
人口比で見たパデルへの熱狂度は非常に高く、多くの若者がプロプレーヤーを目指す環境があります。
普及の要因:
1990年代に巻き起こった大ブームの名残が今も強く、家族や友人と楽しむ「社交スポーツ」としての側面が非常に強いです。
技術的な革新というよりは、歴史と文化がパデルを支えていると言えます。
■日本:アジアの成長フロンティア
日本は、パデルの世界的なブームに乗り、これから本格的な成長を目指す「成長初期」のフェーズにあります。
データだけを見ると欧米諸国との差は歴然ですが、その成長のポテンシャルに注目が集まっています。
データが示す現状…
コート数(50面以上):
数年前までは十数面だったコートが、短期間で50面を突破しました。
これは、日本国内でコート建設への投資が加速していることを示しています。
しかし、スペインやアルゼンチンのコート数に比べると、まだまだ発展途上であることを物語っています。
クラブ・施設数(25か所以上):
主要な施設は都市部やその近郊に集中しており、地方での普及はこれからが本番です。
ライセンス登録者数(約1,500人):
競技として真剣に取り組む登録者はまだまだ少ないですが、推定競技人口は年々増加しており、体験者からプレーヤーへの転換が徐々に進んでいます。
普及の要因:
既存のテニス市場やフットサル市場との相性が良いこと、また、2026年のアジア競技大会でパデルが正式種目になる可能性が高いことから、国や自治体、企業からの注目度が高まっています。
■結論:パデルの未来は「普及の質」にかかっている
この比較レポートから、パデルの普及には大きく分けて以下の3つのフェーズがあることが分かります。
1. 超成熟期(スペイン):文化として定着し、プロ・アマチュア問わず世界を牽引する。
2. 成熟期(アルゼンチン):歴史と情熱に支えられ、根強い人気を誇る。
3. 成長初期(日本):インフラ整備が急務であり、爆発的な成長の可能性を秘める。
日本が今後、スペインやアルゼンチンのようなパデル大国を目指すには、単にコート数を増やすだけでなく、ジュニア世代の育成、指導者の質の向上、そして地域のコミュニティに根差したクラブ運営が不可欠です。
世界のパデルシーンは、旧大国の安定した基盤と、新興国のダイナミックな成長によって支えられています。
日本がアジアのフロンティアとしてどのような成長を遂げるのか、今後のコートと登録者数の推移に注目せずにはいられません。"
こんにちは!日本パデル協会のFiNANCiE担当の川口です。
今回は「各国のパデル事情:アルゼンチン・スペイン・日本の普及度比較レポート」について語っていきたいと思います。
■クラブ数・コート数・ライセンス登録者から見るパデルの現在地
パデルは今、世界で最も急速に成長しているスポーツの一つですが、その普及の度合いは国によって大きく異なります。
長年パデル文化を牽引してきた「旧大国」から、コート建設ブームに沸く「新興国」、そしてこれから本格的な成長を目指す「アジアのフロンティア」まで、その状況は様々です。
今回は、パデル界を語る上で欠かせない主要国、アルゼンチン、スペイン、そしてアジアの代表として日本の3カ国に焦点を当て、クラブ数、コート数、ライセンス登録者という具体的なデータから、各国パデル事情の「現在地」を比較分析します。
【比較レポート】パデル3大国の普及度データ(2024年初頭推定)
項目 / アルゼンチン / スペイン / 日本
パデルコート数 / 7,000面以上 / 17,000面以上 / 50面以上
クラブ・施設数 / 3,000か所以上 / 4,000か所以上 / 25か所以上
ライセンス登録者数 / 約50万人 / 70万人以上(公式ライセンス)/ 約1,500人(競技者登録)
競技人口(推定)/ 300万人以上 / 600万人以上 / 10,000人以上
普及のフェーズ / 成熟期・文化 / 超成熟期・ライフスタイル / 成長初期・フロンティア
※数値は各国連盟発表および業界推計に基づく概算であり、変動する場合があります。
■スペイン:パデル・ライフスタイルの中心地
スペインは、パデルを世界に広めた「超大国」であり、名実ともに世界のパデルの中心地です。
データが示す通り、コート数、登録者数、推定競技人口の全てで世界トップを誇ります。
データが示す現状…
コート数(17,000面以上):
スペインでは、都市部の専用クラブだけでなく、リゾートホテル、マンションの敷地内、フィットネスジムなど、あらゆる場所にパデルコートが存在します。
テニスよりパデルの競技人口が多いと言われる由縁です。
ライセンス登録者数(70万人以上):
これは公式な競技ライセンスを持つ人々の数であり、週末に趣味としてプレーする非登録者を合わせると、その人口は600万人を超えると言われています。
パデルは既にスポーツという範疇を超え、社交と健康のための国民的なライフスタイルとして定着しています。
普及の要因:
温暖な気候が屋外でのプレーを可能にしている点や、メディアの露出度の高さ、そして何よりも世界最高峰のプロプレーヤーが多数存在する環境が、このスポーツを支えています。
■アルゼンチン:パデルを生んだ「情熱の故郷」
アルゼンチンは、パデルの発祥の地であり、情熱的なパデル文化が根付いている国です。かつてはスペインを凌ぐコート数があった時代もあり、現在も強豪プレーヤーを輩出し続けています。
データが示す現状…
コート数(7,000面以上):
スペインに次ぐ規模ですが、アルゼンチンの特徴は、その多くがローカルコミュニティに密着したクラブにある点です。地域住民の交流の場として、パデルコートが非常に重要な役割を果たしています。
ライセンス登録者数(約50万人):
人口比で見たパデルへの熱狂度は非常に高く、多くの若者がプロプレーヤーを目指す環境があります。
普及の要因:
1990年代に巻き起こった大ブームの名残が今も強く、家族や友人と楽しむ「社交スポーツ」としての側面が非常に強いです。
技術的な革新というよりは、歴史と文化がパデルを支えていると言えます。
■日本:アジアの成長フロンティア
日本は、パデルの世界的なブームに乗り、これから本格的な成長を目指す「成長初期」のフェーズにあります。
データだけを見ると欧米諸国との差は歴然ですが、その成長のポテンシャルに注目が集まっています。
データが示す現状…
コート数(50面以上):
数年前までは十数面だったコートが、短期間で50面を突破しました。
これは、日本国内でコート建設への投資が加速していることを示しています。
しかし、スペインやアルゼンチンのコート数に比べると、まだまだ発展途上であることを物語っています。
クラブ・施設数(25か所以上):
主要な施設は都市部やその近郊に集中しており、地方での普及はこれからが本番です。
ライセンス登録者数(約1,500人):
競技として真剣に取り組む登録者はまだまだ少ないですが、推定競技人口は年々増加しており、体験者からプレーヤーへの転換が徐々に進んでいます。
普及の要因:
既存のテニス市場やフットサル市場との相性が良いこと、また、2026年のアジア競技大会でパデルが正式種目になる可能性が高いことから、国や自治体、企業からの注目度が高まっています。
■結論:パデルの未来は「普及の質」にかかっている
この比較レポートから、パデルの普及には大きく分けて以下の3つのフェーズがあることが分かります。
1. 超成熟期(スペイン):文化として定着し、プロ・アマチュア問わず世界を牽引する。
2. 成熟期(アルゼンチン):歴史と情熱に支えられ、根強い人気を誇る。
3. 成長初期(日本):インフラ整備が急務であり、爆発的な成長の可能性を秘める。
日本が今後、スペインやアルゼンチンのようなパデル大国を目指すには、単にコート数を増やすだけでなく、ジュニア世代の育成、指導者の質の向上、そして地域のコミュニティに根差したクラブ運営が不可欠です。
世界のパデルシーンは、旧大国の安定した基盤と、新興国のダイナミックな成長によって支えられています。
日本がアジアのフロンティアとしてどのような成長を遂げるのか、今後のコートと登録者数の推移に注目せずにはいられません。"