日本パデル協会2025年10月16日 19:30
ジュニアパデルの台頭:U14・U16・U18世代に見る未来のスター候補たち

~FIP Promisesツアーとジュニアランキングから育成事情を深掘り

こんにちは!日本パデル協会のFiNANCiE担当の川口です。

今回は、「ジュニアパデルの台頭」について触れていきたいと思います。

テニス界の「ビッグ3」がそうであったように、どんなスポーツにおいても、未来のトップスターたちは若き才能の中から生まれてきます。

パデルも例外ではありません。

近年、世界中でパデルの競技人口が急増する中で、次世代を担うジュニアパデルプレーヤーの台頭が目覚ましいものがあります。

国際パデル連盟(FIP)が主導する「FIP Promisesツアー」や、ジュニア世界ランキングの整備は、まさにこの才能の宝庫を育成し、発掘するために不可欠なインフラです。

今回は、ジュニアパデルがどのように発展しているのかを掘り下げ、未来のトップスター候補たちがどのように育っているのかを探っていきましょう。

■FIP Promisesツアーとは何か?

「FIP Promisesツアー」は、FIPが主催するジュニア世代(U14、U16、U18)のための国際ツアーです。

このツアーの目的は、世界中の若い才能に国際大会での経験を積ませ、将来のプロキャリアへの道を開くことにあります。

このツアーは、単なる大会の開催に留まりません。

ランキングシステムの導入: 各大会での成績に応じて、ジュニアの世界ランキングポイントが付与されます。

これにより、プレーヤーは自分の実力を客観的に把握し、目標を設定することができます。

国際的な交流の機会:

さまざまな国から集まるプレーヤー同士が、文化や言葉の壁を越えて交流する貴重な場となります。

プロへの登竜門:

FIP Promisesツアーで好成績を収めたプレーヤーは、FIPが主催するFIPツアーなど、より上位のプロ大会への出場機会を得ることができます。

このツアーの存在は、ジュニアプレーヤーにとって「夢」を具体化するための明確な道筋を示しています。

■ジュニアランキングが示す育成事情

FIPのジュニア世界ランキングを見ると、興味深い傾向が見えてきます。

U14、U16、U18の各カテゴリの上位を占めているのは、やはりパデル大国であるスペインやアルゼンチンのプレーヤーたちです。

彼らは幼い頃からパデルに親しみ、恵まれた環境の中で技術を磨いてきました。

しかし、近年はイタリアやスウェーデンといった、パデルが急速に普及している国々のプレーヤーもランキング上位に食い込んできています。

これは、これらの国々でもジュニア育成に力が入れられ、才能ある若者が次々と現れていることを示しています。

■育成の現状:スペイン vs. 新興国

スペインの育成モデル…

スペインでは、多くのパデルクラブにジュニアアカデミーが併設されており、幼い頃から専門的なコーチングを受けることができます。

コーチ陣は元プロや経験豊富な指導者で、戦術や技術を体系的に教えています。

また、学校の体育の授業でパデルが導入されているケースもあり、競技の裾野が非常に広いのが特徴です。

新興国の育成モデル…

イタリアやスウェーデンといった新興国では、元テニスコーチがパデルコーチに転身するケースが増えています。

彼らはテニスで培った経験と指導法をパデルに応用し、短期間で高いレベルのプレーヤーを育成することに成功しています。

また、国や地域の協会がジュニアキャンプや遠征を積極的に支援し、国際的な経験を積ませる機会を増やす取り組みも行われています。

■ジュニア世代から見る未来のスター候補たち

ジュニアパデル界には、すでに将来のトップスター候補として注目を集める若き才能が多数存在します。

例えば、スペインの「ダビッド・ゲレロ(David Guerrero)」のようなプレーヤーは、U18世代で圧倒的な強さを見せ、すでにプロのツアーにも参戦し始めています。

彼のような才能は、単に技術が高いだけでなく、試合運びやメンタル面でも成熟しており、将来のワールドナンバーワン候補として期待されています。

また、女子ジュニアの世界でも、スペインの「アンドレア・ウンデラ(Andrea Undera)」や「アレクサンドラ・アロンソ(Alexandra Alonso)」といったプレーヤーが注目されています。

彼女たちは、女性パデルの台頭を象徴する存在であり、今後のプロツアーを牽引していくことが期待されています。

■日本のジュニアパデルの現状と課題

日本でも、ジュニアパデルの育成は始まったばかりです。ジュニア世代の大会は少しずつ増えており、FIP Promisesツアーにも日本のプレーヤーが参加する機会が増えてきました。

しかし、パデル大国と比べると、コーチや指導者の数、そしてジュニアが練習できるコートの数がまだまだ限られています。

今後、日本のパデル界が世界に通用するトッププレーヤーを輩出するためには、以下の課題に取り組む必要があります。

✅ジュニア専門のコーチ育成…幼い頃からパデルの基礎を教えることができる専門的なコーチを増やすこと

✅大会機会の増加…ジュニアが試合経験を積むための国内大会や国際大会の開催を増やすこと

✅普及活動…学校や地域コミュニティと連携し、子どもたちがパデルを始めるきっかけを作ること

■結論:ジュニアパデルはパデル界の未来

ジュニアパデルの台頭は、パデルというスポーツが単なるブームではなく、持続可能な発展を遂げていることの明確な証拠です。

FIP Promisesツアーやジュニアランキングの整備は、未来のスター候補たちに明確な道筋を提供し、彼らの成長を加速させています。

今後、パデルがオリンピック競技を目指す上で、ジュニア世代の育成は不可欠な要素となります。

世界のトップシーンで活躍する若い才能が増えるほど、パデルはより魅力的でダイナミックなスポーツへと進化していくでしょう。

このブログを読んでいる皆様にお願いしたいことは、ぜひ近くのコートで熱心に練習しているジュニアの姿に注目してみてください。

彼らの中に、未来のワールドナンバーワンが隠れているかもしれませんよ。