三浦 優希2024年04月17日 23:48
○シーズン終了のご報告

みなさんこんにちは!本日は、シーズン終了のご報告をさせていただきたいと思います。

2023年10月20日から始まったプロ三年目となるシーズンは、2024年4月13日に幕を閉じました。まずは、シーズン中も常に温かく応援をしていただいた皆様に、心より御礼申し上げます。おかげさまで、ハードなホッケーシーズンを戦い抜くことができました。本当に、ありがとうございました。

今シーズンも、1-2年目と同じIowa Heartlanders (NHL傘下3部リーグECHL所属)にてプレイさせていただきました。

○チーム結果
まず、チーム結果をお伝えさせていただきます。
今シーズンの私たちの成績は、
72試合中27勝37敗8延長負け、所属カンファレンスでは7チーム中7位で終了、プレイオフ出場圏内である4位以上に入り込むことができず、レギュラーシーズンを終えた段階でシーズンが終了いたしました。

チーム創立三年目となる今年は、悲願のプレイオフ進出を目指していましたが、シーズン終盤の失速が足を引っ張り、最終的にはカンファレンス内最下位で終える形となってしまいました。

シーズン途中には、主力選手が数名チームを抜けることがあったり、AHL(2部)からのコールアップ等もあり、なかなか一定の戦力を保てないことがありましたが、これはどのチームも同じであり、マイナーリーグでプレイする上ではつきもののことです。やはり、どんなロースタームーブがあったとしても、今あるカード(選手)で戦わなければいけないし、そこで勝利を積み重ねなければいけません。

チームの結果だけを見たら、決して満足のいくアウトカムとは言えませんでした。

一方で、ポジティブなこともあります。それは、チームの認知度が最初の二年間に比べ、確実に高くなっていることです。今シーズンホーム最終戦では、チーム史上初めてのSold Out(満員売り切れ)を達成したとのことです。

実は、今シーズンの初めにオーナーシップの変更があり、新しくチームにやってきたオーナーやマーケティング担当の人がさまざまな施策を行い、少しずつポジティブな影響が出始めていると思います。まだまだ継続的な集客には課題はありますが、チーム全体として目指すべき方向性がはっきりした一年になったのではないかと思います。


○個人結果について
続いて、個人結果についてです。
今シーズンは72試合中72試合出場12ゴール20アシストの32ポイントでした。

まずは、今シーズン全試合に出場できたことは自分が誇らしく思えることの一つです。シーズン中に大怪我はなかったものの、肩鎖関節を痛めた状態で試合に臨んだり、シュートブロック等で思い通りに体が動かない中、ユニフォームを着続けました。

正直、試合中に大きな痛みを感じたことは数えきれないほどありましたし、試合後に痛みが大きくなり翌日はほぼ歩けないというような状況もありましたが、その度に「自分が今ここにいる理由はなんだ、目的はなんだ、逃げて良いのか、試合ができるチャンスを自分から諦めていいのか」と、とにかく自分を奮い立たせ、なんとか試合に出続けることができました。

これは、普段からサポートしてくれている妻や、コーチ陣、トレーナーさんなどの理解と協力がなければ成し遂げられなかったことです。本当に感謝しています。

面白いもので、「痛くても試合に出る」と覚悟を決めたあとは、不思議と迷いはなくなりました。(痛みはなくなりませんが 笑)覚悟を決めると、あとはどう痛みを乗り越えるか、という一点にだけ集中すれば良くなります。今シーズン学んだこのマインドセットはこれからも大切にしていきたいと思います。

ちなみに今は、昨年も合わせると143試合連続で出場できているとのことです。来シーズンも、こちらの記録を伸ばしていけるよう頑張ります。

さて、ポイントについては昨年が30ポイント、今年が32ポイントでした。キャリアハイを更新できたのは良かったものの、決して満足はできていません。シーズン中盤までは良いペースでポイントを重ねることができていましたが、後半にかけて失速し、中には12試合ほど連続でポイントができない時期がありました。この期間は本当に苦しかったですが、その時こそこの課題から目を背けず、とにかく目の前のシフト(試合中の出番)に集中するよう心がけていました。長いトンネルを抜けてゴールをできた瞬間は本当に嬉しかったです。この期間を通して、また気持ちの面で一つ成長できたと思います。

ただ、繰り返しにはなりますが、自分の今シーズンのスタッツには全く満足はできていません。ゴールもアシストももっとできたし、決めるべきところを決めていれば、より良い数字を残せていたことでしょう。ここは、来シーズンに向けて解決すべき課題です。

また、今年も、目標としていたAHL(2部)コールアップは実現できずでした。もちろんこれは、自分自身の実力不足です。やはり、シーズン序盤から継続的に結果を残し続けることでしか、そのチャンスは得られないと思います。この目標を達成できるかは、また来年以降に持ち越しとなりました。

個人としては最後になりますが、今年はシーズン初めからチームのアシスタントキャプテンに任命していただきました。チームのリーダーの一人として、プレイの面やハードワーク面ではリーダーシップを発揮することができたと思います。一方で、チームを鼓舞するような声がけや、意見を積極的にチーム全体に伝える部分に関しては、まだまだ自分が苦手とするところであり、今後改善していかなければいけない部分です。英語をもっと練習して、日本語と同じくらいスムーズに物事を伝えられるよう、頑張ります。

○今年のオフシーズンの予定について
さて、ここからはこの夏についてのお話です。

まず、今この文章を書いているこの時期(4月中旬)より、アイスホッケー日本代表は4月末に行われる世界選手権に向けた合宿を行っています。今回私は、世界選手権メンバーの選考からは外れてしまいました。シンプルに、自分自身の結果不足、実力不足であると思うので、真摯に受け止め、より良い選手になれることを目指すばかりです。

日本代表チームは、ディビジョン1-A (トップディビジョンの一つ下のリーグ)で優勝を賭けて戦います。ここで一位になれれば、来年にはカナダやアメリカを含むトップディビジョンに昇格することができます。そのチャンスは大いにあると思っています!日本チーム、そして参加される選手の皆様の成功を心から祈っています。

さて、シーズンが終了した今は、疲れ切った体を休めたり、怪我している部分の治療の時間にあてています。とは言っても、ずっと休み続けるわけではなく、5月頭より、トレーニングを再開する予定です。

特に今年は、8月末に、オリンピック最終予選があります。今回の世界選手権メンバーに入ることはできませんでしたが、今夏のオリンピック予選には、日本代表メンバーとして必ず参加したいと思っています。7月ごろに行われるであろうトライアウト合宿に呼んでいただけるとなった場合、そのための準備期間は決して多くありません。

「海外でプレイしているから」ということは全く関係なく、純粋なトライアウト生として、一から自分のプレイをチームスタッフの方々に評価してもらえるよう、5月からのトレーニングに全力で励みたいと思います。

ということで、今年の夏はどこかのタイミングで日本に帰国することになるかと思います。現在日程は調整中ですが、昨年はまるまる一年日本に帰国していないので、久々の帰郷を楽しみにしつつ、まずはアメリカでしっかりトレーニングを積みたいと考えています。


さて、長くなってしまいましたが(毎度申し訳ありません、手が止まりません)、もう少しお付き合いいただけますと幸いです。

ここからは、箇条書き形式で、2023-24シーズンに起きた印象的な出来事を簡単に振り返っていきたいと思います。

- LeadOff Sportsに入社し約一年が経ちます:こちらは前回のご報告でもお伝えさせていただいたかと思いますが、NYに拠点を置くスポーツエージェンシーのLeadOff Sportsで働き始めてもうすぐ一年です。ホッケーとの両立を理解してくれている、代表の白井をはじめ、上司の三原、本多には毎日多くのことを教わっています。私自身、アイスホッケー留学サポートや、クライアント選手の所属チーム/コーチとのやりとりをさせていただいており、毎日非常に充実した時間を過ごすことができています。まだまだ至らない点ばかりですが、心に決めているのは「ホッケーがあるから忙しい、ホッケーで疲れていてできない、ホッケーで時間がない」という言い訳を絶対にしないことです。これはデュアルキャリアを始めるときに決意したことですが、両立を目指すからにはその部分を言い訳にせず、これからもビジネススキルを磨き、人の役に立つことができるパーソンになれるよう、頑張ります。

- バスが燃えかけた話:呼んで字のごとくです。実は、とある遠征の帰りに、乗っていたバスが燃えかけました。遠征先を出発してホームに戻ろうとしていたときのことです。運転が始まってから10分ほど経ったときに、何やらゴムが焦げているような匂いがバス後方の選手が固まっているエリアに漂いはじめました。選手がそれを前方にすわっているコーチ陣に伝え、運転手が念の為路肩にバスを停めて確認すると、バス後方から大きな白い煙が上がっていたそうです。(スリーパーバスのため窓がなく、内側からは外が確認できません)その後運転手が慌てた形相で「すぐにバスから降りて!今すぐに!」と叫び、車内はパニックに。その後、全員がバスから避難し、数分後に火は消し止められました。その日は結局遠征先のホテルに逆戻りし(地元の警察がパトカーを出動させて僕らを送ってくれました)、結局自宅に到着したのは2日後のことでした。少しでも火に気づくのが遅れていたらと思うと、ゾッとします。本当に、無事で済んで良かったです。当時助けてくれた地元警察の方、迅速な対応をしてくれた運転手、素早い判断で火を消してくれたチーム用具マネージャーに心から感謝です。

- 友達や知り合いの方がたくさん試合を見に来てくれました:今シーズンは、ホームやアウェイどちらの試合も、友達や知り合いの方がわざわざリンクまで足を運び、僕のプレイする姿を届けてくれました。僕の試合を見に来るためだけにわざわざ日本からフライトで遊びに来てくれた同級生、仕事の都合でミネソタに来ていた早実時代の先輩、僕らの街に住んでいる日本人ご家族の方々、ミシガン在住で昔から親交があり何度もお世話になっている方、たまたまシカゴで出会った日本人夫婦(話を聞いてみたら隣町在住でびっくり)など、本当に多くの方に応援していただきました。日本から遠く離れたこの地でも、こうして同じ国出身の方々がわざわざリンクに来ていただき、アイスホッケー観戦を楽しんでくれている姿は、僕にいつもパワーを与えてくれます。今シーズン、試合を見に来てくれたみなさんに心から感謝しています。

- シカゴへの1 day trip:先ほどちらっと話しましたが、実はクリスマスブレイクを利用して、日帰りでシカゴに妻と旅行に行きました。シカゴはこの街からは車で3時間半ほどで到着できます。シカゴにはミツワというアメリカ最大級の日本食スーパーがあり、それが最大の目的でした。ミツワは「本当にここは日本なんじゃないか」と思ってしまうほど、なんでも手に入ります。それだけでもとても楽しく、お刺身などがたくさん手に入る環境に終始ウキウキでした。このほかにも、MLBシカゴ・カブズのスタジアムに遊びに行ったりと、束の間のオフを楽しむことができました。

- 取り上げていただいたメディアについて:大変ありがたいことに、今シーズンも日本やアメリカの様々な媒体で取り上げていただきました。こちらにいくつか、まとめさせていただきます。

・Yuki Miura's global hockey journey has taken him from Tokyo to Coralville(ローカルTVによる取材動画)
https://cbs2iowa.com/sports/cbs2-local-sports/yuki-miuras-global-hockey-journey-has-led-him-from-japan-to-coralville
Yuki Miura's global hockey journey has taken him from Tokyo to Coralville
Above the ice at Xtream Arena fly the flags of the United States and Canada. On the ice, only one man plays for the land of the rising sun: Yuki Miura. "I alway


・THN On The 'E': ECHL Heartlanders' Yuki Miura Shares His Hockey Journey from Japan(アメリカアイスホッケー大手メディアのポッドキャストに動画出演)
https://thehockeynews.com/podcast/thn-on-the-e-echl-heartlanders-yuki-miura-shares-his-hockey-journey-from-japan

・Forward Miura connects with our community, sees growth of game in eastern Iowa(チーム公式サイトでのインタビューweb記事)
https://iowaheartlanders.com/news/2024/01/forward-miura-connects-with-our-community-sees-growth-of-game-in-eastern-iowa?fbclid=IwZXh0bgNhZW0CMTEAAR0k8ruE6sXIVngkFtawW-O9r8IDDGTt1jfqO72uO3XsODhRQenScYbE4J4_aem_AXMCDXi5ESCzeuUNAxxi9rqgi6BL5zYTCyW1O8owu_ZkyLSMs7Dw_UN0bswJ1IRD_F01TYds0UfEBwg7I-7VsO4X
Iowa Heartlanders | Forward Miura connects with our community, sees growth of game in eastern Iowa
Coralville, Iowa – When you speak with Heartlanders forward Yuki Miura, you get the sense his impact in Iowa has stretched far beyond the ice. He’s done it all for three seasons with his signature smile, hard-working mentality, and selflessness that eastern Iowans have come to...



・チーム本拠地の近くにオフィスを構えるReal Estate(不動産屋さん)のCMにゲスト出演した際の動画。かなり反響が大きかったです。
https://x.com/paulparkrealtor/status/1766133795692929397
https://www.instagram.com/reel/C4RE3iWxaO_/?utm_source=ig_web_copy_link&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

・アイオワ大学日本語クラスでの特別講義の様子
https://x.com/GoHeartlanders/status/1724949626803847545


・10 most Underrated ECHL Players(リーグ内で過小評価されている選手トップ10)
https://www.flohockey.tv/articles/12208829-walleyes-keenan-k-wings-vorva-among-10-most-underrated-echl-players
Walleye's Keenan, K-Wings' Vorva Among 10 Most Underrated ECHL Players - FloHockey
So much attention goes to the scorers, big-shooting defensemen and standout goalies. Now, it's time to give some love to the ECHL's underrated contributors.


・日本国内スポーツメディアSPORTSCOREさんによる、web取材記事 全5編 「「いずれ自分は海外に出るものだと考えていた」アイスホッケー・三浦優希 17歳からチャレンジを続ける”決断の哲学”」
https://sportscore.jp/icehockey/yuki_miura1
「いずれ自分は海外に出るものだと考えていた」アイスホッケー・三浦優希 17歳からチャレンジを続ける”決断の哲学” - SPORTSCORE
アイスホッケー世界最高峰のNHLへの挑戦を目指し、現在は「Minnesota Wild」傘下の「Iowa He


・日本国内の各都道府県アイスホッケー連盟と連携し、連盟所属の小中学生を対象にオンライン講演会を実施
https://www.jihf.or.jp/news/detail.php?id=2030

https://www.daily-tohoku.news/archives/188686
デーリー東北デジタル
世界最高峰のアイスホッケーリーグNHLの傘下、イーストコーストホッケーリーグ(ECHL)で活躍する三浦優希選手(27)のオンライン講演会が16日、フラット八戸で開かれた。三浦選手は、海外挑戦を通して学んだマインドセットの [...]続きを読む...



・Plays of the week (2/5-2-11)週間ベストプレイの一位に選出。敵をうまく交わしゴールを決めることができました。
https://www.facebook.com/reel/1100613677746911
Plays OTW for Feb.5-11 🤟 Wichita Thunder Kansas City Mavericks Iowa Heartlanders | ECHL | ECHL · オリジナル音源
Plays OTW for Feb.5-11 🤟 Wichita Thunder Kansas City Mavericks Iowa Heartlanders. ECHL · オリジナル音源



以上になります。

最後の最後になりますが、今シーズンも真横で励まし続けてくれた妻の茜に、本当に感謝しています。間違いなく、彼女なしには乗り越えられないシーズンだったと思います。今後も、夫婦仲良く過ごしていければと思います。

皆様、改めまして、最後までレポートを読んでいただき誠にありがとうございました。そして、今シーズンのあたたかい応援をいただき、本当にありがとうございました!大好きなアイスホッケーで、このように夢を追いながら毎日挑戦できることは、何よりの幸せだと感じております。今後も、より高みへ行けるよう、そしてより成長した自分に出会えるよう、努力を続けていきたいと思います。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

本当に、温かい応援をいただきありがとうございました!