寺島 稔2020年01月17日 18:01
ある日の出来事。
4歳の子供がいましていろいろ喋れるようにはなってきているのですが、まだまだ支離滅裂な喋り方のお年頃です。

そんな子供の髪の毛を子供の後ろから妻がセットしている最中、子供がいろいろ喋っていました。もちろん内容はハチャメチャですが本人的には意味があるようです。終盤に差し掛かり「どのゴムで結ぶか」という話になりました。

子「アナ(映画『アナと雪の女王』のアナ)がいい!」
妻「わかった、アナ(のゴム)ね。」

と、アナのゴムで結ぼうとしたら

子「違う!アナがいいの!」
妻「え?これアナだけど?」
子「違うの!アナがいいの!」
妻「???」

よくよく聞くと子供はゴムではなく髪型自体をアナにしたい、ということが言いたかったんです。これ、なぜわかったかというと髪をセットしてる最中の子供の支離滅裂な話を思い返すと「あ!もしかして髪型?」というところに至ったんです。

ここが今回の話の重要な部分で、聞こえにくい場合ってある程度会話の内容を予測したりしながら話す事もしばしばありますが、相手が子供だとそもそも声が高く聞こえづらい(妻の場合)上に、子供後ろにいて顔が見えないので尚更聞こえづらく話の内容はわからない。それに加え話す側の内容ももちろんまとまっていません。側で聞いていた私もあっちこっちに散らばった聞こえていた内容をつなぎ合わせて何とか答えに辿り着きましたが、これが内容が聞こえてない状態で同じことができるかというとまずできません。

騒がしい場所や電話の電波が悪いときなど相手の話が聞こえづらい時、聞き取ろうとするのってなかなか労力が要りますよね。片手間でってなかなか難しいと思うんです。ですが聞き取ろうとしながら話の内容も考えて会話をしているんです。もし自分が常にそういう状態だったらどうでしょう?私だったら会話するだけで疲れてしまいそうです。

私も以前そうでしたが、聞こえる人からすると聞こえにくい経験って限定された状況だったり一時的なものなので「聞こえにくい」と言われても、頑張って聞けば何とかなるでしょと思いがちです。この「頑張って聞けば」の頑張り具合の想像と実際が大きく違っていることに気づくことが大事だなと改めて感じました。この感覚の差こそが「聞こえの壁」を作る要因なんです。なので感覚の差を埋めるためにもこれからは表面的な情報だけでなく聞こえない人、聞こえにく人の気持ちをうまく伝えていきたいなと思っています。

聞こえる人は聞こえにくい人や聞こえない人に、聞こえにくい人や聞こえない人は聞こえる人に聞いてみたいことがあれば教えてくださいね。